
人の気配のしないところで撮影していると思わぬところから車が現れる。
田舎の軽トラである。
慌てて三脚を担いでどけると、横に車が止まって「あんまり飛びやあせんだろ〜?」
場所によって10〜30匹(頭という方もいるらしいが、ここらでそんな呼び方している人はいない)で私には十分である。
つい「ホタルを撮りに来てるのじゃないので・・・」と返事をすると変な顔をして去っていった。
一昨日もミチエ〜ルとホタルを見てると、その近くに住む従兄が
「ここじゃなくても、もっと他にいっぱい飛びゆうとこがあるぞ!」と軽トラを止めて言ってくれる。
それは知ってる。
正直に答えるとめんどくさいのだが、ホタルだけではだめなのだ。
ホタルは単なる添え物、主役じゃないのだ。
逆にホタルが一匹もいなくても今の撮影は成り立つ。
主役は闇。
場所。
気配。
見えないものが見えてくる。
「あるはずのものが見えないことによって見えてくるものがある」その光景を撮りたいのだ。
ホタルはその光景の案内人に過ぎない。
ホタルは怖い。
この感覚が分かるだろうか?
まあ私が人気のないとこで一人ホタルのいる風景を撮ってたりするのでそう感じるのかもしれないが・・・
今夜も何かの気配を感じたところで三脚をたたんで撤収だ。