
壊れていくものは美しい。
日曜美術館で写真家ソール・ライターの特集をやっていた。
2年前伊丹の美術館でやっていたのを見に行ったのだが、今また渋谷でやっているらしい。
1950年代からあのスタイルの写真を撮っていたなんて・・・懐かしいのに新しい。
何て言えばいいのだろう、昔のアメ車を見た時に一周して「古臭いのにかっこいい!」と思えるのに似ている。
スナップ写真なのに(だろうに)セットアップされたような(映画の一場面のような)写真。
で、スナップ写真特有の主張がないのである。
でも作為まんまんの構図。
枯れたカラー。
で恐ろしく上手い。
TVの中では、今、若い人の間でソール・ライター風の写真が流行っているとか言っていた。
川内倫子が出てきた時も「りんこ風」写真が、流行った気がする。
それだけインパクトがあったのだろう。
写真を見てて心地良いっていうのもあるなあ。
生前のインタビューもやってたが、本人は撮りたいものを撮りたいように撮ってただけ。
これで有名になりたいとかはなかった。
そこがスゴイよなあ。
世の中がソール・ライターにやっと追いつく。
そんな感じだ。
私のように努力せずに「いつか誰かに認められたらなあ〜」なんて邪心や夢がない。
でも私が一番好きなのは、ソール・ライターの撮ったモノクロのヌード写真だ。
あれは秘蔵だよなあ。